FMEA (Potential Failure Mode and Effects Analysis)とは
コアツールの1つであるFMEAは「故障モード影響解析」と呼ばれ,製品及びプロセスの持っているリスクを,主に製品設計段階及びプロセス設計段階で評価し,そのリスクを可能な限り排除又は軽減するための技法を規定したものです。
FMEAは,DFMEA(設計故障モード影響解析)とPFMEA(プロセス故障モード影響解析)に分けられます。
DFMEA
DFMEA(設計故障モード影響解析)では,故障の元になる製品設計の弱点を特定し,それを回避することを目的としています。これにより,失敗のリスクを軽減させます。
PFMEA
PFMEA(プロセス故障モード影響解析)では,故障の元になる製造工程や物流プロセス等の弱点を特定し,それを回避することを目的とします。これにより,失敗のリスクを軽減させます。
FMEAの確実な実施を要求
自動車のリコールの原因を分析調査した結果,FMEAをもう少し確実に実施していれば,リコールの多くが防げたという事実があるため,自動車メーカーはサプライヤーに対してFMEAの確実な実施を強く要求しています。
なお,FMEAは国際的な自動車産業の認証制度であるIATF16949において特に重視されており,IATF16949規格において義務的要求事項として規定されているほか,APQP(先行製品品質計画)プロセスの重要要素の1つになっています。
FMEAの適用
FMEAを適用するケースとしては,
① 新規設計,新技術又は新プロセス
② 既存の設計又はプロセスの修正
③ 新規の環境,場所,適用方法,又は使用条件
が挙げられます。
FMEAの実施項目
また,FMEAプロセスの一般的な実施項目は次の通りです。
1. チームの編成
2. 適用範囲の決定
3. 顧客の定義
4. 機能,要求事項の特定
5. 故障モードの特定
6. 影響の特定
7. 原因の特定
8. 管理の特定
9. リスクの特定及び評価
10. 推奨処置及び結果
リスクの優先順位付け
FMEAでは,故障の影響としての「厳しさ(重大さ) S 」,故障の「発生頻度 O 」,及び故障の「検出可能性 D 」という3つの要素でランク付けし,その優先順位付けを行います。
すなわち,その製品やプロセスが抱えているリスクを特定し,その影響度を評価し,優先順位付けを行うことによって,リスク回避策に関する経営的な判断を支援するというものです。
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[英] FMEA参照マニュアル第4版
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第Ⅰ章 FMEAの一般的指針
第Ⅱ章 FMEAの概要,戦略,計画及び実施
第Ⅲ章 DFMEA 設計故障モード影響解析
第Ⅳ章 PFMEA プロセス故障モード影響解析
附属書
- AIAG & VDA発行 FMEAハンドブック
[英] AIAG&VDA FMEAハンドブック
[日] AIAG&VDA FMEAハンドブック スタディガイド
- 【AIAG&VDA FMEAハンドブックの構成】
- 1. はじめに
- 2. 設計FMEAの実施
- 3. プロセスFMEAの実施
- 4. 監視及びシステム応答のFMEA(FMEA-MSR)補足事項
- 附属書
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