ISO/TS16949とは
ISO/TS16949概要
ISO/TS16949とは,自動車産業の国際的な品質マネジメントシステム規格を指します。
この規格は,IATF(国際自動車産業特別委員会)が,国際標準化機構ISO/TC176専門委員会の支援を受けて策定したものです。
ISO/TS16949規格は,規格制定に関するルールが通常のISO規格とは異なるため,「TS」(テクニカル・スペシフィケーション)という記号が付されています。
そのため,ISO/TS規格は当該専門委員会メンバーの2/3以上の賛成票が得られるだけで,その発行が承認されることとなります。
ISO/TS16949認証制度とは
ISO/TS16949認証制度とは, ISO/TS16949規格に適合した品質マネジメントシステムが組織において適切に構築され,効果的に運用されていることを,第三者審査機関が審査し,登録する制度のことです。そして,IATF(国際自動車産業特別委員会)メンバーである欧米の自動車メーカー9社が,部材の調達先である部品/材料メーカー(サプライヤー)に対して,ISO/TS16949認証登録を取引条件として要求するものです。
このISO/TS16949認証制度は,認証制度の基本ルールである「IATF承認取得ルール」に従って,IATFの監督機関から承認を得た第三者審査機関が,サプライヤーのマネジメントシステムを審査するという点に特徴があります。
審査によってこの規格(及び該当する顧客固有要求事項)に適合していると判定されたサプライヤーは,IATFの監督機関に登録し,自動車メーカーは,その登録されたサプライヤーから部材を調達するという仕組みになっています。
なお,2012年6月に世界の登録事業所の数は50,000件を超えています。
※IATF(国際自動車産業特別委員会)
ISO/TS16949認証制度の運営元。
自動車メーカー9社: GM,フォード,クライスラー,ダイムラー,フォルクスワーゲン,BMW,フィアット,ルノー,プジョーシトロエン
自動車産業団体5団体: 米(AIAG),独,仏,伊,英で構成されています。
※ISO/TC176専門委員会
ISO9001規格などの「品質マネジメント及び品質保証」に関する国際規格を開発する国際標準化機構の中の専門委員会である。
ISO/TS16949認証に必要な書籍類
一般に,ISO/TS16949認証の取得および維持をするためには,次に示す書籍類が必要となります。
◆ISO/TS16949規格
◆IATF承認取得・維持ルール
◆顧客固有要求事項(該当するもののみ)
また,ISO/TS16949規格と密接に関連しているため,通常は以下の書籍(コアツールマニュアル)も利用されます。
コアツールマニュアル(英語版)
◆PPAPマニュアル
◆APQP参照マニュアル
◆FMEA参照マニュアル
◆MSA参照マニュアル
◆SPC参照マニュアル
なお,弊社ではコアツールマニュアル全文の日本語訳と,読者の方の理解を助けるためのコメントを記載したコアツールスタディガイドを販売しております。
コアツールスタディガイド(日本語)
◆PPAPスタディガイド
◆APQPスタディガイド
◆FMEAスタディガイド
◆MSAスタディガイド
◆SPCスタディガイド
公式解釈及びFAQ
なお,この規格は「公式解釈及びFAQ」と合わせて理解することが必須となっております。
「公式解釈及びFAQ」は,IATF のホームページに英文のものが掲載されております。
公式解釈及びFAQには以下のものがあります。
・ISO/TS16949公式解釈集
・ISO/TS16949FAQ
・IATF承認取得ルール公式解釈集
・IATF承認取得ルールFAQ
※プレクサス会員様には,公式解釈及びFAQが改訂される度に和訳版を無償でご提供しております。
ISO/TS16949規格の構成
序文
適用範囲
引用規格
用語及び定義
品質マネジメントシステム
経営者の責任
資源の運用管理
製品実現
測定,分析及び改善
附属書A コントロールプラン